毎年8月になると「唯一の被爆国である日本は核兵器廃絶のリーダーとなるべき」という論調がメディアを賑わせますが、日本の安全は米国の核の傘で守られているという現実を直視する必要も有るでしょう。
万人が善人で万国が良い国なら鍵も警察も軍備も不要ですが、現実の人間社会はそうではなく抑止力が必要です。軍備は警察官の拳銃の様なもので使わなくても保持している事が抑止になります。
北朝鮮の金正恩の言う様に歴史上、核兵器保有国が侵略された例は無く、旧ソ連時代に保有していた核兵器をロシアに返したウクライナはロシアに侵略された事は周知の通りです。
1994年に「ウクライナ・ベラルーシ・カザフスタンが保有する核兵器をロシアに返還すればこの3国の安全を保障する」というブダペスト覚書が米・露・英と交わされましたが、ロシアのプーチンはこの覚書を反故にして2014年にクリミア半島を併合し、2022年にウクライナ本土に侵攻しました。
日ソ不可侵条約を破ったロシアのスターリンは「国家間の約束事はパイの皮の様なものである」と言っていましたが、中世の政治思想家マキャヴェリの「国家間の約束事が守られるか否かは力関係のみである」という言葉は現在も普遍です。
核武装が他国からの侵略を抑止する手段としてコストパフォーマンス的に優れているか否かは議論のある所ですが、検討する必要はあるでしょう。いずれにしても米国・ロシア・中国など既に核兵器を保有した国が核兵器を放棄する事はあり得ません。