【パウエル米国務長官のコメント】
「若者を誇るべき」、「危険を冒す人がいなければ社会は進歩しない」というパウエル米国務長官コメントは金平茂紀TBSワシントン支局長のインタビューに対して答えたものであり、原文は以下の通りです。(私の拙い訳を添付致しました。理解に間違いがあればご指摘下さい)
MR. KANEHIRA: In the history of the modern nation, it is said every government has an obligation to protect their own citizens. Some people in Japan are saying that those who are kidnapped are willing to take risk and they were expected to assume the responsibility for their own act. What is your comment?
(訳)金平氏;近代国家史においては、どの政府もその国民を守る義務がある。日本では危険を冒して人質となった人達に彼等の行動に対する責任を負うべきだと言う人達もいるが、どう考えるか?
SECRETARY POWELL: Well, everybody should understand the risk they are taking by going into dangerous areas. But if nobody was willing to take a risk, then we would never move forward. We would never move our world forward.
(訳)パウエル氏:危険な地域に行く事によるリスクを認識すべきであるが、もし誰もリスクを冒そうとしなければ、我々は前進しないし、社会も進歩しない。
And so I'm pleased that these Japanese citizens were willing to put themselves at risk for a greater good, for a better purpose. And the Japanese people should be very proud that they have citizens like this willing to do that, and very proud of the soldiers that you are sending to Iraq that they are willing to take that risk.
私はより良き事、より良き目的のために危険に身を投じるこの日本人達をうれしく思う。同時に、日本人はそういう危険に身を投じる日本人が居ることを誇りに思うべきだし、危険を承知で日本がイラクに派遣している兵士達(=自衛隊員)を誇るべきである。
But even when, because of that risk, they get captured, it doesn't mean
we can say, "Well, you took the risk. It's your fault." No, we
still have an obligation to do everything we can to recover them safely
and we have an obligation to be deeply concerned about them. They are our
friends. They are our neighbors. They are our fellow citizens.
危険であるが故に、拉致されたとしても、危険を冒したのは君達だから責任は君達にあるとは言えないだろう。むしろ、我々は彼等の安全を守るためにあらゆる手段を講じる義務があり、決して彼等をないがしろにしてはならないのである。彼等は友人であり、隣人であり、同胞である。
このインタビューでは、この前にも後にも、金平氏はこの人質となった3人の反政府的かつ共産主義的な思想背景・発言・態度の情報を全く提示しておりません。従いましてパウエル氏が人質に関する具体的な情報をなに一つ持たず、ただ一般論として「大義のためにリスクを冒すことも大切で、そのような日本人がいることを日本人は誇りに思うべきだ」と述べているに過ぎないことが判ります。
そもそも米国の国務長官は日本では外務大臣に相当しますので、日本の記者の質問に、日本人を非難する答えは避けるでしょうし、ましてや人質の自己責任論に言及する事など立場上できません。そしてパウエル氏は軍人ですのでもともと開戦には積極的ではありません。(軍人は部下を死なせたくないので戦争はなるべく避けようと致します。)
TBSは例によって例の如く、自分達に都合のいいコメントを引き出せそうな人物から、都合のいい答えを引き出せそうな質問をして、都合のいい部分だけを利用して世論を誘導していると言わざるを得ません。
金平氏の3人の政治的背景を無視したインタビューの仕方もアンフェアですし、「日本人は危険を承知で日本がイラクに派遣している兵士達(=自衛隊員)を誇るべきである。」という部分も発表しないというのもアンフェアでしょう。