教育崩壊の原因は「差が付くことが良くない」として、徒競走を皆で手をつないでゴールさせたり、期末テストの廃止等に代表される戦後教育の悪平等主義にある。スタート地点が平等であればよく、その後は「努力によって得られるものに差があるのが公平である」ということを教えないから、子供達は自分の想い通りにならないとすぐキレるのである。 

教育崩壊の解決策は次の3点である。

@ 学校群(学区)制度を撤廃し、行きたい学校に行けるようにする。
 公立学校の衰亡は学区制度導入に端を発している。生徒の能力・目的ではなく、住所で学校が決まってしまう学区制度の下では勉学、スポーツ、音楽、いずれにしろ特長ある学校作りは不可能である。そもそもスポーツや音楽では、一生懸命練習することが尊ばれ、学業の場合、詰め込み教育などと言って非難されるのはおかしい。野球で甲子園をめざして猛練習するのと、志望大学を目指してガリ勉するのと本質的な差はない。

A小学校高学年から学力別のクラス分けをする。
 複数の人間に何かを教える場合、ある程度は同じ位の能力・目的でクラス分けがどうしても必要である。例えば、プロ野球の練習に、草野球の選手が入っても練習についていけないのは当たり前で、双方にとって練習にならず不利益である。塾では学力でクラス分けをしているから、生徒数が多くても授業が成立している。45人学級を40人にしてもむしろ学級崩壊は増悪しており、1クラスの生徒数の削減だけでは抜本的解決策には成り得ない。

B 教師の能力評価を行い給与に反映させる。
 教師を始めとする公務員の給与も民間にならって終身雇用・年功序列から能力・成果主義へ移行すべきである。全く競争原理の働かない所では何事も質の改善はあり得ない。これは全ての公的機関に当てはまる。


4)【学級崩壊の原因と対策】
     産経新聞 2000年4月1日「談話室」