2002年3月13日
【冬季五輪の判定に思う】
冬季五輪のショートトラックで日本人選手が失格になり、また金メダルと思われた韓国人選手も失格となった。それに対して女子フィギュアスケートで不正な判定をしたフランスの審判に対する寛大な扱いとロシアもカナダも金メダルという決着の仕方を見ると日本人としては、やはり、白人国家の人々は「有色人種の国が白人の国に勝つ事」が不愉快なのだろうと穿った見方をしてしまう。ジャンプなども日本人が金メダルを取ったら彼等はルールを変えてしまった。
1789年、フランス革命では「人は生まれながらにして自由平等の権利を有する」と人権宣言の第一条に謳われたが、その後のドイツの3B政策や、イギリスの3C政策など欧米列強のアジア、アフリカへの植民地政策を見ると人権宣言の中の「人」とは白人のみで「有色人種」は含まれていない様である。米国に至っては150年前までは黒人は白人の奴隷であった。
石原都知事が某新聞で「最近の大学生は、日本とアメリカが戦争した事も知らん」と嘆いていたが、当院の24歳の看護婦が「ゼロ戦、それ何ですか?」と言ったのには愕然としてしまった。そして、その看護婦が4年制大卒の女友達に「三菱のゼロ戦、知ってる?」と訊いたら、「それ新車?」と訊き返されたそうだ。
いつも思うが、日本人から「愛国心」と「ナショナリズム」という精神的な牙を抜いたGHQの占領政策は余りに見事で、日本が自立するには3代、100年かかると思われる。100年の間に中国に揶揄される如く日本という国が世界地図から消滅し、米国の州の1つか、中国の省の1つになっている可能性もあるが、三菱のゼロ戦を知らない看護婦も「冬季五輪の判定には人種に対する偏見を感じる」と言っていた事が救いであった。