2002年9月8日
【11桁の背番号が送られてきた】
私の所にも住民基本台帳法に基づく11桁の背番号が送られてきた。
デジタル管理された情報の処理速度、簡便さはアナログの比ではない。日本の何処の役所でも、住民票、戸籍謄本、パスポートなどが得られれば、確かに便利ではある。住基ネットも、氏名、生年月日、性別、住所の四情報を扱うだけならそれほど問題はないだろう。事実、キャッシュカードやクレジットカードではこれらの四情報は銀行や信販会社に捕捉管理されている。
しかしながら、更に進んで、住基ネットと電子カルテがリンクし病歴などが引き出せる様になるのは医師から見れば問題が多い。
インターネットで繋がっているコンピューターの情報は専門家の手に掛かれば引き出せないものは無いと言う。例えば、検査結果のみならず、使用している薬からでもエイズ患者のリスト作成も可能であるし、結婚相手の家族歴、遺伝性の疾患の有無などを調べる事も可能となる。そして、必ずそういうリストを作成し密売する輩が出現するのが世の常である。
問題は住基ネットで「問題が起こった場合の責任を誰がどう取るか」であるが、住民基本台帳法の罰則規定に目を通すと問題点が2つあると思う。
ひとつは守秘義務違反の罰則が「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」では軽すぎる感は否めない。逆に言えば100万円で情報が買えるという事であり、最低10年の懲役または罰金も1000万円ぐらいでないと抑止効果はないのではないだろうか?
もう一点は担当者が目的外に使用をした場合の罰則が見当たらない事である。
「問題が起こった場合の責任を誰がどう取るか」の観点からしても個人情報保護法案の成立が不可欠ではあるが、その罰則も「6ヶ月以下の懲役、又は30万円以下の罰金」と軽い。
いずれにしても、国民一人一人に背番号が付けられた。日本はまた一歩、官僚統制社会主義国家の基盤を固めた訳である。
しかし、これも国民が選挙で選んだ政治家が決めた事であり、正規の手続きに則っている。「官僚統制社会主義は嫌だ。」という人は国政に手を挙げ、官僚に従うだけの政治家を選挙で破る以外の方法はないのである。