2012年6月10日
さいたま日赤の小児科の部長、副部長を含めた常勤医師4人全員が今年の夏か秋までに退職の意向を示している事について産経新聞から取材を受けた。
朝日・埼玉・東京新聞では「日赤と県立小児医療センターの新都心への移転集約計画とは無関係」と報道されているが、私が日赤の医師から聞いた話ではまさにこの計画で退職する様だ。
以下は6月9日の産経新聞からの抜粋である。
『・・・この問題について、同病院の担当者も県の担当課も、新都心への移転問題は「関係ない」としている。ただ、医師でもある日下部伸三県議(無所属)は、「県立小児医療センターと一体的に整備されて別棟で隣接するのでは、さいたま赤十字病院の小児科の存在意義が乏しくなるのではないか」と指摘する。移転後、重篤な患者の対応は小児医療センター、さいたま赤十字病院はそれ以外と分担が決まっているからだ。
別の医療関係者は「日赤など公的な病院は民間と比べて医師の収入が低い。しかし、高度な設備でさまざまな患者の診察ができ、経験を積めるメリットがある。それなのに、風邪や腹痛の子供しか診られなくなるのでは、医師のモチベーションにかかわる」と明かした。・・・』
私は本計画がプレス発表された段階から「さいたま日赤と県立小児医療センターが別棟で隣接するのでは、さいたま日赤の存在意義が無くなる事を指摘し、経営効率の面からも日赤の小児科に小児医療センターを組み入れる形で一本化すべき」という事を主張してきたが、上田県政は医療現場が全く判っていないし、判ろうともしていない。
現状でも埼玉県の勤務医不足は深刻だが、常勤医の退職という最悪の結果になりそうである。
医療現場に無知な埼玉県政が埼玉県の医療を崩壊させていると言わざるを得ない。