今年も7月15日(海の日)に県政報告会を指扇病院内で開催した所、猛暑にも拘わらず、500名以上の皆様にご参集賜り厚く御礼申し上げる次第です。
 政令市でも県行政の影響が大きい医療問題について報告させて頂きました。要旨は以下の通りです。

「多額の税金で赤字補填をしているにも拘らず救急医療から逃げ回る埼玉県病院局&県立病院」

 
今年1月、久喜市の75歳男性が25病院延べ36回受け入れを断られて県外で亡くなった救急事例への批判に対し埼玉県は救急隊にタブレット端末を持たせる事を決めたが、病院の受入れ状況が判るだけで、受入れ先の病院が決まる訳では無い。

 この問題の大部分は知事が「多数回、受け入れを断られた患者さんは県立循環器・呼吸器病センターが受ける」と言えば解決し、それは一銭も掛からず、来月からでも出来る。

 平成24年の延べ11回以上受け入れを断られた重症例は167件で、そのうち多発外傷の様な救命センターで対応すべきものが38件、小児科で対応すべきものが1件で、残りの128件が脳卒中、心筋梗塞、喘息の重積発作など循環器・呼吸器系の重症例と考えられる。

 病院局は常々「県立病院の役割は3次の重症例を扱う事」と言っているので、この延べ11回以上断られた128件の重症例を受け入れる事が県立病院の責務である。

 県立循環器・呼吸器病センターのホームページには「循環器内科は24時間体制で診察および治療を行なっており」、「心臓血管外科は緊急に手術が必要な場合には、24時間いつでも対応できるように当直体制をとっております」、「脳神経外科は常時、脳神経外科医が常駐し、24時間体制で緊急疾患にも対応しております」と記載されている。年128件、即ち3日に1件の重症例が受け入れられない様ではこの記載は虚偽という事になり、またそんな循環器・呼吸器病センターに年間17億3千万円も赤字補填をする必要はない。

 同センターの循環器内科は常勤医12名と研修医が3名いるので2人当直体制が可能である。心臓血管外科は常勤医6名なので1人は当直で1人はOn Call、脳外科は常勤医4名しかいないので1人週2回のOn Callというシフトになると思うが、普通の内科医ならば脳のCTとMRIが撮れれば出血や梗塞ぐらいは判るので、初療は循環器内科の当直医2名で受けて、必要ならば心臓血管外科の当直医或いは脳外科のOn Call医を呼ぶという救急体制を私が病院事業管理者なら来月から執らせる。

 埼玉県の救急たらい回し問題の大部分は知事が「延べ11回以上断られた患者さんは県立循環器・呼吸器病センターが受ける」と言えば解決するにも拘わらず、何故ここまで県立病院、埼玉県病院局、知事が救急医療から逃げ回るのか?

 6月議会に於ける上述の反対討論に対し、議場裏では自民党の県議さん達、民主党の県議さん達、執行部の職員さん達、多くの方から「ごもっとも」という評価を頂いた事を付け加えさせて頂く。




2013年7月18日

第3回県政報告会(下写真)