中国当局は新型コロナウイルスの発生源を「武漢市の華南海鮮市場で売られていたコオモリなどの野生動物」としていますが、1月24日付の医学雑誌Lancetのオンライン版に中国の医師らが寄稿した論文は「肺炎発生初期の41例を調べた所、27例は華南海鮮市場との関連性があったが、残りの14例は関連性が無く、発症第1例とその後の3例中2例は華南海鮮市場とは関連がなかった」と報告しています。
 中国では広く野生動物を食用としており、「何故、武漢から」なのでしょうか?

 武漢市には華南海鮮市場からそれ程遠くない場所に、国際基準で危険度が最も高い病原体を扱うBiosafety level 4の施設、中国科学院武漢病毒研究所があり、英科学誌のNatureが2017年2月に「 病原体が流出する恐れ」を警告していました。
 ウイルスは宿主に感染を繰り返す事によって変異を生じ、コロナウイルスはRNAウイルスの中でも塩基量が多いため、変異を起こし易く、コオモリはコロナウイルスの自然宿主とされています。
 2014年6月に中国農業大学の教授が実験後の動物を業者に密売していた罪で逮捕されていますが、ウイルスの不活化処理が不完全な状態で、実験動物を廃棄すると変異したウイルスが流出する危険性があります。
  
 2019年12月末から原因不明の肺炎の存在を、率先して周囲に警告していた武漢市中心医院の李文亮医師は武漢公安局に「デマを流した」として処罰されており、習近平政権が真実を明らかする事はないと思います。WHOのテドロス事務局長もまたエチオピアの保健大臣と外務大臣を歴任した人物ですが、母国の経済が中国資本頼みという事情から、かなり中国寄りです。



2020年3月20日
医師から見た新型コロナウイルス流出説」