尊厳死依頼状

貴病院担当医各位殿
 
       依頼者                   印
 
       保証人(続柄   )            印

【はじめに】
 癌等では延命治療を希望するかどうかを自分で選択する時間的余裕がありますが、脳卒中や頭部外傷で突然意識不明の重態に陥ればもう自分で延命治療の可否を選択できません。よって健康な時に意思表示をしておく必要があります。この尊厳死依頼状は病気や外傷で突然意識不明の重態に陥り回復の見込みが極めて乏しい場合に植物状態での延命を希望されない方のものです。
 尚、本依頼状は保証人か、緊急時連絡先の方に所持して頂き、依頼者の緊急時に担当医に提示して頂くか、あるいは、かかりつけ医がいる場合はあらかじめかかりつけ医に提出しておくのがよいでしょう。
 
【記入上の注意】
@上段に依頼者の署名捺印と保証人の署名捺印、下段に日付、依頼者の署名捺印、緊急時連絡先(氏名、続柄、電話番号)を記入して下さい。
A6項;移植のための臓器提供について{ }内の該当項目を○で囲んで下さい。臓器提供に同意される方のみ{脳死・心臓死}以下の{ }内の該当項目を○で囲んで下さい。
B7項;医学教育のための献体について{ }内の該当項目を○で囲んで下さい。
C途中で気が変わることも有り得るので4頁の8項の欄に日付と有効期間を記入して下さい。

【尊厳死依頼要項および使用上の注意:担当医各位殿】
●上記依頼者の緊急時には以下の依頼要項の如く、処置をお願い致します。それについては保証人、親族一同、一切意義申し立ていたしません。尚、入院後の急変時も同様の処置をお願いします。
●以下の初診時とは、救急車搬入時、入院後の急変時を問わず、担当医が初診した時のことで、意識レベル はJapan Coma Scale (以下JCS)に従います。

1. 初診時  意識レベルJCSV-300、呼吸無し脈無しの場合:
 原因を問わず、気管内挿管、静脈確保などの一切の救命救急処置は不要です。心電図にて心停止、また対光反射のないことを確認し死亡診断書を記載して下さい。尚、警察による検視が必要な場合はそれに従います。

2. 初診時 意識レベルJCSV-100 〜 300、呼吸有り脈有りの場合:
 原因を問わず、初診時の気管内挿管及び呼吸器装着は不要です。鼻カテ orマスクによる酸素投与、心電図モニタリング、及び末梢静脈確保のみを行い頭部CT、単純レントゲン、血算、生化学検査のみ施行してください。

@頚髄を含む中枢神経系に原因がある場合:外傷・内因性(脳内出血、脳梗塞、クモ膜下出血など)を問わず、気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、末梢静脈からの維持輸液のみで経過観察として下さい。脳外科的処置は不要です。
A血糖・電解質の異常の場合:末梢静脈からの対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管及び呼吸器装着は不要です。
B心疾患が原因の場合:気管内挿管・呼吸器装着ならびに心臓カテーテル検査は不要で、末梢静脈からの対症療法のみで経過観察として下さい。
C外傷性出血・吐下血・腹部大動脈瘤破裂など出血性ショックが原因の場合:末梢静脈からの輸血(1000ml まで)・輸液のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的止血は不要です。
D喘息重積発作など呼吸不全が原因の場合:末梢静脈からの対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに気管切開などの外科的処置は不要です。
E溺水・熱傷・熱中症・中毒などその他の原因の場合:末梢静脈からの対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的処置は不要です。

●上記@〜Eの対症療法の経過中に肺炎を併発しても特別な治療は不要です。
●上記@〜Eの対症療法の経過中に呼吸停止、心停止しても気管内挿管・呼吸器装着は不要です。心電図にて心停止、また対光反射のないことを確認し死亡診断書を記載して下さい。

3.初診時 意識レベルJCSU-10 〜 30 の場合:
 原因を問わず、初診時の気管内挿管及び呼吸器装着は不要です。鼻カテ orマスクによる酸素投与、心電図モニタリング、及び末梢静脈確保のみ行い頭部CT、単純レントゲン、血算、生化学、血液ガス検査施行してください。

@頚髄を含む中枢神経系に原因がある場合:外傷・内因性(脳内出血、脳梗塞、クモ膜下出血など)を問わず、気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、末梢静脈からの維持輸液のみで経過観察として下さい。脳外科的処置は不要です。
A血糖・電解質の異常の場合:気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。
B心疾患が原因の場合:気管内挿管・呼吸器装着ならびに心臓カテーテル検査は不要で、経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。
C外傷性出血・吐下血・腹部大動脈瘤破裂など出血性ショックが原因の場合:輸血(2000ml まで)・輸液のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的止血は不要です。
D喘息重積発作など呼吸不全が原因の場合:経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに気管切開などの外科的処置は不要です。
E溺水・熱傷・熱中症・中毒などその他の原因の場合:経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的処置は不要です。

●上記@〜Eの対症療法の経過中に肺炎を併発しても特別な治療は不要です。
●上記A〜Eの対症療法の経過中、必要な場合は中心静脈確保してもかまいません。
●上記@〜Eの対症療法の経過中に意識レベルがJCSV-100 以下に低下した場合は前述の初診時意識レベルJCSV-100 〜 300 の処置をお願いします。

4-1.初診時 依頼者の年齢が65歳以上で意識レベルJCST- 1 〜 3 の場合:
 原因を問わず、初診時の気管内挿管及び呼吸器装着は不要です。鼻カテ orマスクによる酸素投与、心電図モニタリング、及び末梢静脈確保のみ行い頭部CT、単純レントゲン、血算、生化学、血液ガス検査施行してください。

@頚髄を含む中枢神経系に原因がある場合:外傷・内因性(脳内出血、脳梗塞、クモ膜下出血など)を問わず、気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、経静脈的維持輸液のみで経過観察として下さい。脳外科的処置は不要です。
A血糖・電解質の異常の場合:気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。
B心疾患が原因の場合:気管内挿管・呼吸器装着ならびに心臓カテーテル検査は不要で、経静脈的対症療法のみで下さい。
C外傷性出血・吐下血・腹部大動脈瘤破裂など出血性ショックが原因の場合:輸血(2000mlまで)・輸液のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的止血は不要です。
D喘息重積発作など呼吸不全が原因の場合:経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに気管切開などの外科的処置は不要です。
E溺水・熱傷・熱中症・中毒などその他の原因の場合:経静脈的対症療法のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに外科的処置は不要です。

●上記@〜Eの対症療法の経過中に肺炎を併発した場合、抗生物質のみ投与して下さい。
●上記A〜Eの対症療法の経過中、必要な場合は中心静脈確保してもかまいません。
●上記@〜Eの対症療法の経過中に意識レベルがJCSU-10 以下に低下した場合は、前述の初診時意識レベルJCSU-10 以下 の処置をお願いします。

4-2.初診時 依頼者の年齢が65歳未満で意識レベルJCST-1 〜 3 の場合:
 原因を問わず、初診時の気管内挿管及び呼吸器装着は不要です。鼻カテ orマスクによる酸素投与、心電図モニタリング、及び末梢静脈確保のみ行い頭部CT、単純レントゲン、血算、生化学、血液ガス検査施行して下さい。

@頚髄を含む中枢神経系に原因がある場合:外傷・内因性(脳内出血、脳梗塞、クモ膜下出血など)を問わず、気管内挿管及び呼吸器装着は不要で、経静脈的維持輸液のみで経過観察として下さい。脳外科的処置は不要です。
●上記の対症療法の経過中に肺炎を併発した場合、抗生物質のみ投与して下さい。
●上記の対症療法の経過中、必要な場合は中心静脈確保してもかまいません。
●上記の対症療法の経過中に意識レベルがJCSU-10 以下に低下した場合は、前述の初診時意識レベルJCSU-10 以下 の処置をお願いします。

A肝性昏睡・食道静脈瘤破裂・胸部 or 腹部大動脈瘤破裂が原因の場合:輸血(5000mlまで)・輸液のみで経過観察として下さい。気管内挿管・呼吸器装着ならびに手術やSB-Tube を含む外科的止血は不要です。血漿交換も不要です。
●上記の対症療法の経過中に肺炎を併発した場合、抗生物質のみ投与して下さい。
●上記の対症療法の経過中、必要な場合は中心静脈確保してもかまいません。
●上記の対症療法の経過中に意識レベルがJCSU-10 以下に低下した場合は、前述の初診時意識レベルJCSU-10 以下 の処置をお願いします。

B中枢神経系疾患、肝性昏睡、食道静脈瘤破裂、胸部 or 腹部大動脈瘤破裂以外が原因の場合:その時のスタンダードな治療をお願いします。必要な場合は中心静脈確保、気管内挿管・呼吸器装着、更に、手術を含めた外科的処置もお願いします。
●経過中に敗血症性ショックなどを併発し意識レベルがJCSU-10 以下に低下した場合は、前述の初診時意識レベルJCSU-10 以下 の処置をお願いします。
●術中・術後のトラブルなどで鎮静剤などを中止しても意識レベルが術後3日間JCSU-10 以下のままの場合は、気管内挿管中であれば抜管し、前述の初診時意識レベルJCSU-10 以下の処置をお願いします。
●喘息重積発作など呼吸不全が原因で気管内挿管・呼吸器装着をした場合、2週間経っても呼吸器離脱できない場合は鎮静剤などを中止し、意識清明な場合は気管切開し呼吸器をはずして下さい。呼吸器の再装着は不要です。意識清明でない場合は抜管して経過観察として下さい。後者の場合、再気管内挿管・呼吸器再装着ならびに気管切開などの外科的処置は不要です。

5. 原因を問わず、初診後3ヶ月経過した段階で、遷延性意識障害あるいは、痴呆症を後遺した場合はその時点で自力経口摂取不能でも、水分を含む全ての栄養補給、輸液・投薬を中止し自宅へ返して下さい。心停止時、往診死亡確認していただければ幸いです。

6. 移植のための臓器提供について{同意します・同意しません}。
 {脳死・心臓死}後の{全ての臓器・心臓・肝臓・腎臓・角膜・その他(       )}の臓器提供に同意します。

7. 医学教育のための献体について{同意します・同意しません}。

8. 上記の依頼内容は    年  月  日より   年間有効とします。


     年   月   日
           
        依頼者署名              印
        緊急時連絡先         (続柄   )
              電話:            



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